雇用契約の更新はできないことを伝えた日は、話し合いにはならず、とりあえず終了になり、後日お父さんから、面談をお願いしますと連絡を頂きました。
来所された時、
お父さんは少し元気がないように見え、お母さんは私を見るなり睨みつけ、彼女は下を向いていました。
最初に口を開いたのは、お父さんでした。
「先日の話は、うちでも何度も話をしました。そして、受け止めることにしました。」
私は、どう答えていいのかわからず、悩みました。
「ご理解頂き、ありがとうございます。卒業という形で退社してもらうことができず、申し訳ありません。」とお返事させて頂きました。
「これからは、有給を使いながら、次の就労先を一緒に探し、見学や体験などお手伝いさせていただきます。よろしくお願いします。」
そう言った私に、お父さんから「次の勤務先は自分たちで探しますので、大丈夫です」と。
断られてしまった以上、何も出来ませんでした。
自分の無力さを思い知り、この決断をしたことが本当に正しかったのか?ほかに方法はなかったのか?と自問自答しました。
最後の勤務の日、何かできることはないのか?とみんなで相談し、
寄せ書きを作りました。
一緒に働いてきた障害の方々、指導員、彼女がひそかに好意を持っていた別の施設の職員などなど、関わってきたみんなで、感謝の気持ちを一言ずつ書きました。
終了時間になり、着替えを終えた彼女に、寄せ書きをプレゼントしました。
彼女は、涙を流していたのに、笑顔で「ありがとうございました。」と。
あの、彼女の笑顔は忘れません。
彼女らしく、無理をしなくてもできる仕事に出会えることを心から願ってます。
・・・次回は、適応障害、うつ、脅迫性障害の方のお話をします。
最後まで、ご覧頂きありがとうございました。