知的障害と自閉症の彼女は、自己決定をすることなく、全て親の言うとおりに進んできていました。
それは、できないのではなく、させてもらえなかったんです。
「障害があるから、親が何とかしないと」という思いが強いお母さんで、子供を守りたい一心です。
それは、私も親の立場なので、よくわかります。
どんなことがあっても、親は子供を全力で守る、幸せになってほしい!と願っています。
でも、この仕事に就いてみて、いろんな方を見て関わってきて、子供の自己決定は、必要です。どんなに健康に気を付けても、親は先にいなくなります。そこから、一人で放り出されても、何もできません。
「生きていくことさえ困難ですよね」
彼女は、自分を出すこともできません。感情すら表現できません。
どうしたらいいのかわからないんです。
何度も面談し、
今どうしたい?
来月になったらどうしたい?
一年後にはどうしたい?
を繰り返し質問をし、自分の思いを周りに伝えることが、本当に大切なんだよと伝えてきました。
やっと、少しずつ「私は、お客さんが喜んでくれる仕事がしたい」と話してくれるようになりました。
先をみようとする姿勢をとても感じました。うれしかったです。
しかし、親が望む将来ではなかったんでしょう、親御さんから頻繁に電話が来るようになりました。
・・・次回は、A型事業所として、この家族とどう関わるか、関わってきたのか?をお話しします。
最後まで、ご覧頂きありがとうございました。