同じ、生活介護で出会った、てんかんがあり、知的障害もある30代の彼のお話です。
発語もできないので、自分の思いを伝えることができず、表現ができないので、若さもあり、とにかく毎日暴れまくりでした。
男性で、力もあるため、なかなか体力を使いました。
ご自宅でも、思う通りにいかないときは、親にも暴れて泣いて大騒ぎで、かなり両親は、悩んでいました。
そんな彼ですが、男性職員の言うことは、しっかり守れていたんです。暴れることもなかったんです。
・・・女性が嫌いなのか?関わり方なのか?
その時期は、うちの職員は、全員女性でした。
同じ法人内の児童デイサービスには、男性が3名いて、その3人に協力してもらっていました。
本当に別人になってました。
そんな時、どうしても男性職員が来れなくなり、うちの職員で入浴をしてもらうことになったんです。
こちらの言葉は理解できているのに、職員の声掛けには全く反応なし。近づけば怒り出す。何とか話をして浴室へ。
できる事は自分でやっていただき、見守る。
お風呂は好きだったので、入浴中はとてもご機嫌!!
だったんですが、浴室からでた瞬間から、暴れん坊さんに変わってしまう。
職員全員、その日一日は、とてもとても疲れてしまった一日でした。
その後、
実は私カラオケが当時大好きで、よく仕事帰りに行って歌いまくっていました笑。
元々、私の声は低くて、酒やけ?のような声だったんですが、ある日、完全に喉がつぶれてしまい、ものすごく低くてガラガラな声になってしまいました。
次の日、その暴れん坊な彼が、怒って床に寝ころび、毛布をかぶっていたので、少し離れたところから、彼の名前を呼び、床は痛いです。ソファに行きます!と話しかけたんです。
そしたら、素直にすぐソファに移動したんです。ソファに座り、キョロキョロと何か誰か探していました。
・・・そう、私の声が低すぎて、ガラガラで、完全に男性だと思ったようで、男性職員を探していたんです。
そんなこと知らない私は、別の利用者さんとおしゃべりしていました。
私がしゃべる度に、キョロキョロ探していました。
最後は、私が直接彼に話しかけたことで、あの声はあなただったんだと気づいたようで、ショックを受けていました。
それを聞いた私もショックでした・・・。
この彼は、ご飯が大好きで、とにかくよく食べていましたが、飲み込む力が弱く、誤嚥性肺炎になってしまいました。
大好きなご飯まで食べることができず、大暴れ!!
彼も職員もしんどくなってしまうと判断し、男性職員を入れることにしました。
声もかなり低く、見た目は少し怖そうなおじさんだったので、それからは、その職員がいないときだけ、ストレス発散のように、私たち女性職員に暴れて怒っていました。
調子を崩し、入院することになり、
お父さんがご挨拶に来てくださった時に、その状況を笑いながら話していた時に教えていただいたんですが、
昔、彼はお母さんの事は下に見ていたので、態度も悪く暴力も振るっていたそうなんですが、お父さんは、自分にとって怖い存在で、絶対に反抗しなかったそうです。
しかし、お父さんが体調を崩し、入院をされてしまったそうで、期間は一か月もなかったんですが、やせ細ってしまい、退院した時には、別人のようになってしまったそうです。ふらつきながら、ご自宅に帰られた時に、彼は弱ってしまったお父さんを見てから怖がなくなってしまったそうです。弱い人と思うようになり、お母さんと同様に暴力も振るうようになったそうです。
彼にとって、昔のお父さんは怖くて、強くてかなわない大きな存在だったんでしょう。だから、弱ってしまったお父さんは、納得できない理解できなかったから、今でも昔のお父さんを求めていて、男性職員の言うことは聞けていたのではないでしょうか?とさみしそうに話してくださいました。
親は、歳をとりどんどん弱っていきます。
それは、当たり前のことです。
でも、彼にとっては、それを受け入れる事はとても難しいことだったんです。
切なくなりました。
だからこそ、障がい者の方々は、もっと社会に出るべきで自立しなくてはいけないと思い、
就労のお仕事をしたいと考えるようになりました。
・・・次回は、最近困っていることについてお話します。
最後まで、ご覧頂きましてありがとうございました。