就労支援

入社したばかりの利用者さんの不安

うちに入社して、一週間くらい経った彼女が、

ある日、朝から様子がおかしく、

私が話しかけると、よそよそしく返事をしたり、

ビクビクしていたり、

仕事中に、急にしゃがみこんでしまったり・・・。

休憩時間には、上着を羽織って、フードをかぶり

椅子を並べて横になり、顔を隠していました。

・・・明らかに泣いている様子でした。

声をかけても「大丈夫です!」というばかり。

しかし、休憩時間が終わるころに、泣きすぎてなのか?

過呼吸を起こしました。

「話しようか?」→「勤務時間なので、出来ません」

と返事をされるため、ゴミ出しをしてから、話をすることにしました。

休憩室に行き、ソファに座り、「どうしたの?」と聞いても首を横に振り、

フードをかぶったままでした。

話してもらわなければ、何もしてあげられない事を伝え、

「仕事内容で困っている?」→「いいえ」

「指導員の指示がわからなくて困ってる?」→「いいえ」

「ほかの利用者さんに何か言われた?」→「直接は言われてません」

「直接じゃないってどういうこと?」

→「指導員に私のやり方について話していたのが聞こえた・・・」

「でも、指示通りに出来ているのだから、大丈夫ですよ!」→「はい」

「指導員に話していた利用者さんって直接話したことある?」

→「いいえ、怖いので話せません」

「怖い利用者さんがいるの?」→「二人います」

「その人たちに何か言われた?」→「いいえ」

「そうなんですね。怖がらせてしまってごめんなさい。その人のどんなところが怖いと感じたのかな?」

→「返事をしてくれなかった」「ほかの人に対しての言い方がきつい」

「教えてくれてありがとう。ちゃんと返事の事、言葉使いについては、ご本人に伝えますね」→「はい」

解決したのかと思ったんですが、まだ顔を上げない、何か言いたい様子に感じたので、

「昨日、大変だったんだよね?」

→「私は、忙しくはなかったです。みんなが忙しそうにしていたけど、わからないから何もできない。いろんなことをやってみたいと話したけど、まだほとんどできないから、すごく悔しかった。」

これが、彼女の一番悩んだ内容だったようです。

「まだ一週間しか経っていないのに、できるわけがないし、教えてもらえていないので、出来なくて当然です。でも、聞いてないから・・・と気にもしない人もいる中で、「悔しかった!」と言ってくれたのは、嬉しかったです。その気持ちは、これからも持ち続けてほしいです。一つ一つできるようになっていきましょう。焦らなくて大丈夫です」と伝えました。

すると、やっと顔を上げて、私と目が合うことが出来ました。

前向きに、意欲的に仕事をしてくれようという気持ちが、

自分には、何もできない。役に立てないとマイナス思考になっていたこと。

怖い利用者さんがいて、以前のA型で辛い思いをしたことがよみがえってしまい、辛くなってしまったこと。

この二つが誰にも言えず、一人で悩み、耐えられなくなってしまったようでした。

なので、

「これからは、少しでも気になることや怖いと思ったときに、すぐ指導員や私に話してくださいね。約束です!!」と伝えました。

なかなか、自分の思いを伝える事が難しいようなので、これからの課題として、できるように支援していきますねと約束しました。

これから、伝えてくれるようになると良いのですが。

・・・次回は、このお話しの続きをお話しします。

最後まで、ご覧頂きありがとうございました。